「住宅ローンは固定か変動か」「繰り上げ返済すべきか、投資に回すべきか」——よく語られる論点だが、多くの解説は一般論で止まっている。本シリーズでは借入4,000万円・35年・元利均等返済というモデルケースを置き、2026年7月時点の実勢金利(変動金利:都市銀行中央値 年0.99%、ネット銀行 年0.90%前後/フラット35:年3.14%)を使って、実際に数字を動かしながら検証していく。
日銀は2024年3月のマイナス金利解除以降、断続的に利上げを続け、2026年6月に政策金利1.0%まで引き上げた。市場では年内から2027年にかけてさらなる利上げが観測されており、利上げサイクルの真っ只中という時代認識が本シリーズの前提になる。
シリーズの構成(全6回)
- 住宅ローンの固定金利と変動金利、メリット・デメリットを2026年の実勢金利で比較する
- 変動金利はどこまで上がったら損になる?シナリオ別シミュレーションで検証
- 繰り上げ返済とTOPIX投資、どちらが得か?100万円の35年後を比較する
- 「変動金利+差額投資」戦略を5パターンでシミュレーションする
- 金利が上がる=物価が上がる。TOPIXはそれ以上に上がるのか
- 住宅ローン戦略の結論——4つの意見をどう修正したか、実践チェックリスト
先に結論だけ知りたい人へ
「住宅ローンは変動で借り、固定との差額をTOPIXなどのインデックスファンドで運用する」という戦略は、方向性としてはおおむね妥当というのが本シリーズの結論になる。ただし無条件の必勝法ではなく、次の4点が結論の分かれ目になる。
- 今の金利差(約2.2%pt)を前提にした条件つきの結論であり、日銀の想定を超える急速な利上げが起きれば逆転しうる
- 差額投資は一括ではなく積立で行い、生活防衛資金を確保したうえで行うべき
- 繰り上げ返済は「保証された節約」、投資は「不確実なリターン」——金利急騰と市場低迷が重なる最悪シナリオでは、繰り上げ返済のほうが有利になることもある
- 「金利上昇=物価上昇、TOPIXはそれ以上に上がるか」は短中期でno寄り、長期でyes寄り——時間軸で答えが変わる
詳しい試算とシミュレーションは、次回以降の各記事で解説していく。
※ 本シリーズの試算はすべて借入4,000万円・35年・元利均等返済というモデルケースに基づく仮定であり、個別の借入条件・家計状況によって結論は変わりうる。投資は元本を保証するものではない。
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